贅沢な寂しさ ~身分違いの結婚
4

どうして私が 悠樹に選ばれたのか。

どうして 悠樹の告白を 受け入れてしまったのか。


付き合ってしまったら もっと辛くなるのに。


でも もう私は 悠樹を好きな気持ちを

止めることが できなかった。


悠樹が 私を 好きだと言ってくれたから…


何度 2人で食事をしても

私は 悠樹に 個人的なことは

何も 聞かなかった…聞けなかった。


悠樹のことを もっと知りたいけど。

知ることは とても 怖かった。


悠樹と私は 住む世界が 違うから。


大学の時 附属上りの友達に 感じたように。

努力では どうにもならない レベルで

悠樹と私は 違う世界に 生きている。


だから私は 悠樹を 知ろうとしなかった。


ただ 悠樹と過ごす 時間だけを 楽しもう。

今2人が 楽しければ それでいい。


私達に 将来は ないのだから…


ずっと そう思っていたのに。

そう言い聞かせて 自分に ブレーキを掛けていたのに。


でも私は 歩き出してしまった。


この先 どんな道が 待っているのか。

恐怖よりも 悠樹を思う 気持ちの方が 強くて。







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