遺書
違和感
叔父さんの死因は睡眠薬の過剰摂取だった。ただ、事故死か自殺か判断出来ていないらしい。私の手元を除く遺書がないからだ。
叔父さんの葬式はうちですることとなり、通夜には叔父さんの関係者が次々と訪問する。

「由理ちゃん」

その中の一人が私に声を掛ける。俯いた顔を上げると悲痛な表情をした青年が近づいて来る。私は何度も叔父さんのアパートで会っていた人の名前を呼ぶ。

「蛇島さん…」
「他の人から聞いたよ。由理ちゃんが先生の遺体を最初に見つけたんだって?」
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