遺書
遺品
院長の連絡で話を聞きに来たのは犬丸刑事だった。刑事さんは私を見ると渋い顔をしていたが、院長が最初に私が持っていた遺書を頼りにこの病院に来た事、本物の遺書を見つけた事を伝えると、バツの悪い顔に変わった。

「つまり高瀬透さんはここで通院していた。万が一の時に貴方に遺書を渡していたということでよろしいですか?」
「はい」
「本物の遺書も見つかったし、これは自殺と見て間違いないな」

そう断定する刑事さんに私は首を横に振る。

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