ふしだらな猫かぶりからの溺愛
瓶覗
「うん、いいんじゃねえか?」


新曲の音源を聞いた社長が満足そうに、北欧インテリアの木製の膝掛けにグレーの布地のモダンなソファに深く腰掛ける。


「やったー!ありがとうございます」

「ところで仁那、この新曲だけど音楽配信サービスと動画配信サイトの両方に出す予定だけどそれでいいか?」

「うん、それで大丈夫です。デビュー曲だしなるべくたくさんのひとの耳に触れられるほうがいいもんね」

「ああ、とくにお前はデビュー前の曲がすでに動画サイトのほうでかなりの話題になってるから、新曲を聴いてくれる人も同じ層を狙いたい」


初めて作るMVは曲を聴いてもらいイメージでアニメーションを作ってもらう。
最近はアニメのMVが増えてるからデビュー曲がアニメのMVなことは何も不自然ではない。



「ちなみにお前はなんでまたそんな変な格好してんだ?仮装継続中か?」

社長が私の顔を見ながら再び不思議そうに聞いてくる。
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