仮面夫婦マリアージュ~愛のない一夜でしたが妊娠しました~
偽装のはじまり

颯真side~

―――媚薬のせいとは言え、彼女の処女をあのような形で奪ってしまった手前。
本気のプロポーズは出来なかった。仮にプロポーズしても、俺のキモチが本気だと思って貰えない可能性の方が高い。
でも、彼女を誰にも奪われたくない。
ともかく彼女を俺のそばに置く。
それを第一に考えての偽装結婚…


「工藤さんとは上手くいったようですね」

「どうだろうな…」

工藤邸まで、迎えに来てくれた来人。
「工藤社長夫妻とも馴染んでいたでしょ?」

「・・・そりゃ俺は総理の甥っ子だ。…工藤社長夫妻も他の輩と同じだ…」

駅のホームのベンチに座って思い詰めていた彼女の横顔。
でも、帰り際の彼女の顔は安心しきっていた。

俺も彼女の安堵した表情を見て、ホッと胸を撫で下ろした。

「ともかく、酒井衆院議員のコトは…総理に任せて…俺の両親にはどう切り出そうか?」

俺は腕を組み考え込んだ。


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