この続きは、彼の部屋で
Ⅱ 約束を守れない場合
*
彼の友達のお兄さんが借りているというマンション。その一室に、私は連れ込まれた。
背後で重い音を立て、12畳ほどの広さの部屋が施錠される。
学校では真面目で、誰にでも平等に優しい彼。
学年トップクラスの成績で先生から優等生だと認められ、生徒からも好感度が高いから安心していた。
不良グループと関わっていることがすでに危険だと、気づくのが遅すぎたんだ。
学校では普通の恋人を演じて、この秘密の部屋では私のことを──
「昼休みもあいつと仲良く話してたけど、何を話してたの?」
「玲香ちゃんのことを話してただけなの。仲良くなんてしてないよ……」
久木君はそもそも、玲香ちゃんのことがお気に入りなのだから。
私のことは女として見ていないと思う。
「茉莉恵はあいつの方がいいのかなぁって、嫉妬で壊したくなるから。──やめてね、他の男と喋るのは」
気だるげに溜め息をつき、未来君は言った。
彼の友達のお兄さんが借りているというマンション。その一室に、私は連れ込まれた。
背後で重い音を立て、12畳ほどの広さの部屋が施錠される。
学校では真面目で、誰にでも平等に優しい彼。
学年トップクラスの成績で先生から優等生だと認められ、生徒からも好感度が高いから安心していた。
不良グループと関わっていることがすでに危険だと、気づくのが遅すぎたんだ。
学校では普通の恋人を演じて、この秘密の部屋では私のことを──
「昼休みもあいつと仲良く話してたけど、何を話してたの?」
「玲香ちゃんのことを話してただけなの。仲良くなんてしてないよ……」
久木君はそもそも、玲香ちゃんのことがお気に入りなのだから。
私のことは女として見ていないと思う。
「茉莉恵はあいつの方がいいのかなぁって、嫉妬で壊したくなるから。──やめてね、他の男と喋るのは」
気だるげに溜め息をつき、未来君は言った。