身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
6.あれやこれやと事件が続発



「もう信じらんない」

食後、ダイニングテーブルについた状態で、私は頭を抱えて呻いた。

「仕方ないだろ」

向かいで修二が言う。お腹いっぱいになったまりあはリビングで遊んでいる。

「お義父さんだって好きで盲腸になったわけじゃないんだし」

まさかまさかの出来事が勃発である。旅先で父が盲腸を発症。緊急手術になってしまったのだ。
先程その知らせを母から受け、私は包み隠さず修二に話した。

「幸い保険に入ってたから医療費はそこまで高額ではなさそう」
「それはよかったよな。海外で手術なんて下手したら何千万の単位だから」
「長期滞在だからカード付帯の保険じゃ心配って直前に入ってたんだけど、不幸中の幸いだったわ」

とは言いつつ、私はため息だ。
急病じゃしょうがないし、さらに手術で盲腸を取って終わりということなのが不幸中の幸いだけど、何が困るって帰国が伸びること。

「あと半月……」

私はおそるおそる修二を見る。どうやってもまりあの迎えは修二に頼るしかない状況だ。

「俺は大丈夫だから」

すかさず答えてくれる修二。ありがたいけど、申し訳ない。そして何より、このままじゃまずい気がする。
ずぶずぶと泥沼にハマってる気分だ。ちょうどふたりの関係にゆらゆらした感情が差し挟まってきたタイミングだ。これ以上掘り下げずに、ここでスパッと関係を元に戻した方が絶対にいい。でも、背に腹は代えられないという状況なのも確かなのだ。
ええい、ここは割り切るしかないぞ!

「父と母が帰ってくるまでよろしくお願いします」

私はあらためて頭を下げた。修二が表情を明るくして提案する。
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