HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
欺きの愛

充斗side-

最寄りのモノレール駅から直結した・『ブルーオーシャン・フロンティアビル』

我が社の自社ビルで、湾岸副都心の一角に二十年前建設された。
今でこそ、色んな施設が建ち並んでるが、その当時はまだ開発途上の場所で何もなかった。

最上階の社長室の全面硝子の向こうには東京湾が見え、その逆側を見れば、緑豊かな公園が見えた。

「この株券を売れば…一億円にはなりそうだな…本当に売っていいのか?宇佐美」

「売りたいから…お前に相談したんだ…徹也(テツヤ)」

目の前の応接ソファに腰を下ろすのは社に出入りする「帝和銀行」本店の法人営業部の伊集院徹也(イジュウインテツヤ)
彼は『帝和銀行』の伊集院純也(イジュウインスミヤ)頭取の一人息子。
俺と彼はアメリカの名門大学スタンフォード大学で知り合った同級生でルームメイトの仲。
今もビジネスの上で何かと持ちつ持たれつ仲だった。
彼は昨年、部下と結婚して一児の父親になったばかり。
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