HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
私は一度充斗との電話を切り、寝室のクローゼットの引き出しに仕舞っていた『帝和銀行』の通帳を取り出した。

慰謝料を受け取れば、私と充斗の関係は終わってしまう。

このまま、真実を話して…

でも、群馬の片田舎育ちの私と一緒になっても、充斗には何のメリットもない。

また、宇佐美会長に猛反対されるのがオチだ。

私は通帳を手に充斗に電話を掛けた。

「充斗?」

―――あぁー


「通帳の口座番号言ってもいい?」

―――いいよ…

私は充斗に口座番号を伝えた。

―――この口座番号に送金しておくよ…

「充斗…私・・・」

―――これ以上の増額は無理だぞ。葵

「あ…」

―――切るぞ…

「うん…」

「ママ…誰とおはなしてるの??」

―――近くに子供が居るのか?葵

「え、あ…うん…ゴメン…切るね…充斗」

私は慌てて電話を切った。

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