え、え?王女様??

信じられない思いでその美女を見た。

豪華なプラチナブロンドを惜し気もなく巻き、いかにも高価そうなふわふわの毛皮のコートとブーツ。シンプルでいながら上質な素材の赤いドレスを着た、いかにも高飛車なお嬢様。年は同じくらいかやや下辺りだろうか?
怒りのためかグリーンの瞳はつり上がり、ぽってりとした唇を引き結んでいた。

とはいえ……
王女様?

ネットのニュースでも、異国の王族が来日したとかの話題はなかった気がするけど。にわかには信じられない。

だけど、それはすぐに納得せざるを得なくなる。

「ミレイ様!」

スーツ姿の女性が慌てたように、美女のもとに駆けつけた。その後に続々と、黒服を着た男性が数人。
そして、普段見られない社長まで登場する騒ぎになったんだから。

「マリア、離しなさい!」
「ミレイ様! お立場をお考えください!このような場で相応しい振る舞いではありません。
グレース国王族として、わきまえてください」

美女を諌めるのがどんな立場の人かわからないけど、助かった。と安堵した途端だった。

「わかりました!それほどお話されたいのでしたら、そのかたにもお付き合いいただきましょう。それでよろしゅうございますね?」
「当然じゃない!このドロボウネコにはきついお仕置きが必要よ」

美女……でなく王女様は、とにかく私をドロボウネコと連呼して。

恥ずかしいを通り越して、消えたくなった。