QUALIA ー最強総長×家出少女ー
駆ける
私は蓮の運転する車に乗り、会場へと向かう。

「あと15分か。間に合うかな…」と私。

「大丈夫。道を選んでいけば、まだ可能性はある…」

助手席から見る蓮の表情は、言葉とは裏腹に焦りがあった。

スマホにメールが入る。

「石黒教授からだ」

石黒教授にはコンクールの管理委員に時間を待ってもらえるか交渉してもらっていた。

「どうだって?」

「ダメ。時間に間に合わなかったら失格にするって…」

「くそっ、頭の固い連中め」

昨日ほどではないけど、外はまた雪が降っていた。

道にもかなり雪が積もっている。

それにさっきから車が進まなくなっている。

「こんなときに渋滞だ!」

完全に車が止まる。そうしているうちにも、時間はどんどんなくなっていく。

「琴葉っ、出てくれ!」
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