QUALIA ー最強総長×家出少女ー

数百人の先頭を、風のようにバイクで駆けるルナ。

その後ろには副総長の麗於さん。

さらにその後ろに、将冴さんと慧さんが続く。

背中越しに、ぎゅっと将冴さんの細くてたくましい体を抱き、密着する。

そこから伝わるエンジンの振動。耳に響く爆音。風を切るほほの感触。爽快感。

五感のすべてを使い、自由を感じた。

理屈じゃなくて、私は生まれて初めて自由になれた気がした。

「やば、私、将冴さんにドキドキしてるかも…」

こんなに男の人に密着するなんて、初めての体験だ。

それに将冴さんは年上で、やっぱり中学の男子とは色気というか、何もかもが違った。

そういえば、バイクに乗るのも昔からの夢だった。

「朝がくる前に、叶ってよかったな…」