ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「まだやってないのは可愛い系だよね?」

「あー……うん」

「ならさ! ライオンじゃなくてハムスター要素を全面に押し出してみるのはどう?」



ハ、ハムスター要素……?

えーっと……口に食べ物を詰め込むのかな?



「こんな感じ……?」

「違う! 小さくて守りたくなるような雰囲気を出すの!」



頬を膨らませてハムスターのマネをしてみたものの、どうやら違ったようだ。

身長はクラスで真ん中だけど、平均値より少し低めだからいいとして。



「守りたくなるような雰囲気って?」

「要はか弱い雰囲気かな。あまり弱々しいと変に思われるからやりすぎない程度に」

「ほほぉ……」



────
──



「あっ、北松ちゃん!」

「星くん! 詩恩いる?」

「いるよ~。ちょっと待ってね」



その日の昼休み。
早速彼のいる教室に向かった。

星くんに呼び出しをお願いし、廊下で待機。


なんか緊張してきた……。

でも大丈夫!
休み時間にか弱い女の子の特徴を調べまくったから! 自信持とう!



「いきなり呼び出してごめんね」

「別に。何の用?」

「あの……詩恩はどうして私に冷たいの……?」
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