ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「それと……明莉は腹黒だって言ってるけど、彼、すごく律儀な人だよ。1年の頃、何度か見かけたことがあるんだけど、先生や先輩に腰低かったし。言葉遣いも丁寧だった」

「嘘……」



“それは多分、北松さんにだけだと思うよ”

青石先輩が言った通り、腹黒で冷たいのは私にだけ……?



「私……直接聞いてくる!」

「今から行くの?」

「まだホームルームまで時間あるし!」



立ち上がって8時30分を指している時計を指さす。



「昼休みに行きな。今行ったって、時間ないからって門前払いされるよ」

「……ですよね」



冷静な指摘を受け、我に返り、そのまま椅子に腰を下ろした。



「それなら、昼休みまでに作戦を練ろう!」

「また練るの? 2つとも失敗したのに?」

「だって攻略法がないんなら見つけるしかないじゃん! 千夏、何かアイデアある?」

「えーっ、うーん……」



「おしとやか作戦」と「優等生作戦」は、自爆したせいで失敗に終わった。


どっちも似たような作戦だったからなぁ。

次は雰囲気をガラッと変えた作戦がいいよね。


頭を捻らせていると、千夏が「あ!」と思い出したように口を開いた。
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