午後二時。
 紫苑学園の文化祭のパンフレットを受け取った小母さまは、そのまま横にスライドして、


「紫苑の花売りはどこでやっているのかしら。教えて下さる……?」


と聞いてきた。

 答えるべき生徒は全部で六人。

 受付である白い行事用テントの中は一瞬にしてざわめき立ち、ついでパイプ椅子に座っていた私へ視線が集中した。

 あいにく暇じゃない。
 ただこの場合、私が行くのがベストであろう。

 そのくらいは分かるから、残りの仕事を後ろにいる後輩に任せて立ち上がった。

 テントの外に出て一時的に取っていたシオンの造花を制服の胸ポケットにさし、

微笑みとお辞儀は慧を見習ってあくまでも優雅に。

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