そうなのだ。
忠司は首を絞めるように、少しずつ柚希を束縛し、ついには響子に会うなと言ってきた。
それだけは、受け入れられなかった。
柚希にとって響子は、家族も同然だから。

だから、別れを告げたのだ。

「ここ開けて?帰ろ!」
「嫌!!もう帰って!もう二度と私の前に現れないで!」
「なん…で…?そんなこ…と言う、の…?」
少しずつ忠司の様子がおかしくなる。
柚希は咄嗟に部屋を出るため、ドアに向かう。

ドン!ドン!ドン!
ドン━━━━━━!!
パリーン!!!
「柚希!」
「え……嫌…来ない、で………」
やっとドアまでたどり着いたのに、足がすくみ、その場に腰を抜かす、柚希。
ゆっくり柚希の元に来る、忠司。
でも、ガラスの割れた音でみんなが駆けつけてきた。

「柚!」
「あ…大、翔…」
「柚希!」
「中也、く…響ちゃん、く、ろさ…しょ、たさん……。
よかった…」
「柚、柚……。もう大丈夫だよ……」
「大翔…大翔…大翔……!」
力の限り抱き締める、大翔。
必死にしがみつく、柚希。
それをみんな安心したように、見つめていた。

「俺の柚希から、離れろ!!!!」
忠司の声が響く。

「あ?お前…覚悟できてるよな……?」
大翔の静かな、でも重みのある怒りの声。
「は?」
「柚、“助けて”って言って?
俺達に“助けて”って。そしたらすぐに解決するから。
柚はなんか勘違いしてるみたいだけど、俺達はいつまでも柚を守りたいと思ってるんだよ!だから……
言って?“助けて”って!」