あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
運命の選択
自分が情けない。
あんな約束もできないのに、自分の思いだけを相手に押し付け、彼女を困らせた。
由理恵とちゃんと話をつける前に何やってんだよ俺は……。
その罪悪感から、彼女を引き止めることができなかった。
だけど自分の気持ちを抑えることができなかったのも事実だ。
俺は彼女を今でも愛している。
よく人は、好きになった理由を知りたがるけど、それは野暮だと思う。
好きに理由なんてない。
俺の心と体が彼女全てを欲しがるほど好きなんだ。
だけど一度抑えが効かなくなると、つい暴走してしまう。
こんな中途半端なことはしたくないのに……。
だが翼に自分の思いをぶつけた以上その責任はちゃんと取るつもりだ。
そう決意した時だった。
スマホが鳴った。
車に置きっぱなしにしていたため、一瞬どこに置いていたのかわからずキョロキョロしてしまう。
スマホは運転席と助手席の間に落ちていた。
まさか翼から?
さっきまで一緒にいたのに、電話をとるだけでこんなに緊張するのは初めてかもしれない。
手を伸ばし、スマホをとって確認する。
だがその名前に、緊張が一気に引くのを感じた。
電話は翼ではなく、由理恵からだった
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