偽りの夫婦
陶酔
そして━━━━
「ん…」
目を覚ますと、紫龍が見つめていた。
「おはよ、今日は一日中くっついてようね!」
「うん…」
今日は三好には休んでもらい、完全に二人だけで過ごすのだ。

「紫龍、朝ごはん作ってくる!」
と紫龍の腕の中から、出ようともぞもぞする。
「んー。もう少しこのまま……」
と更に抱き締められた。
「うん…」
「陽愛…柔らかくて、気持ちいい~」
「そうかな…?」
紫龍の色の違う目をジッと見つめる。
「紫龍の目って片方茶色いのかと思ったら、黒は黒なんだね?少し薄い黒」
「うん。色が違うんじゃなくて、片方色素が薄いだけ。それが光で茶色く見えるんだ」
「綺麗……」
綺麗な瞳に吸い込まれそうだ。

「それ…煽りにしか見えないよ!あんま見つめられると////」
「もしかして恥ずかしいの?紫龍」
なんか顔が赤くなったように見える。

「うん…陽愛が可愛すぎて、朝からやらしい気分になる」
「そうなんだ…そうゆう紫龍の方が可愛いよ!
恥ずかしがってるなんて。
もっと見つめちゃお!」
更にジーッと見つめる。

「いいの?そんなに見つめて。
俺になにされるかわからないよ!」
「だって、可愛いんだもん!」
「ふーん。じゃあ遠慮なく……」
そう言って、覆い被さってくる。
あっという間に組み敷かれた。

「ちょっと待って…!今日デートするんだから、もう起きないと…」
「んー。無理!だいたい陽愛が煽ったのが悪い!」

陽愛の目をなぞり、
「陽愛の目の方が、綺麗だよ……」
陽愛の口唇をなぞり、
「キスは、甘くて…一度合わせると離せなくなる……」
そのまま口唇をなぞってた、親指をグッと口の中に入れた紫龍。
「んぁぁ…うぅ…」
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