次の日になると世話係は何人か元気になり、マリーは昨日一日を労われ、休暇をもらえることとなった。

 降って湧いた休みにやることもなく、カーティスのところへ顔を出す。

 扉を開けると声が重なった。

「え」
「は?」

 目を丸くしたエリックは、「イーサンのやつ……」となにか恨み言をこぼしている。

「すみません。誰もいらっしゃらないのだとばかり思っていて、ノックするのを失念しておりました」

「いや。いい。少し寄っただけだ」

 朝からの王子は心臓に悪い。まぶしい朝日に照らされて燦々(さんさん)と輝いて見えるのは、大袈裟ではないと思う。

 着替え前なのか、堅苦しい軍服も着ておらず白いシャツだけのエリックに少しだけ親近感を持つ。

「あの……」

 まさかこんなにも早く王子と対峙するとは思っていなかったため、言葉に詰まる。揺れる眼差しで見た先のエリックとカーティスの瞳は同じ澄んだ青色をしていた。