同期はまさかの御曹司?☆ 番外編完結

康祐とユイ

ユイは相変わらず俺との同棲に頷いてくれない。
 
この3年。
俺たちはすこぶる順調。
突っ走りすぎる俺をいなすことも多々あるが、ユイはいつも俺に甘えてくれるようになった。

でも同棲はできないという。
なんで??

俺のマンションに泊まりに来ることもあるし、俺がユイのマンションに泊まることもある。

なのに同棲はダメだと言う。

なんでだよ!

お互いのプライベートも大切にしよう、なんて言われる。

俺、そんなに束縛してないよ。
それに同棲しても縛らないよ。
ご飯だって俺が作るよ。
ただ、一緒にいたいだけなんだ…。
ユイと同じ部屋に帰って、ユイの空気を感じたいだけなんだ。
ユイは同じ気持ちでいてくれてないのか。

流石に3年も付き合ってきてまだ同棲を断られるなんてちょっと凹む。

ユイー!

はぁ。
なんだか情けない。
ユイが同棲したくないってなんでなんだろう。

俺は急にユイが恋しくなり電話した。
今日は帰りが遅いから、とユイが言ってたけどそろそろ帰ったかな?

トゥルルルルル…
呼び出し音が鳴るがユイは出ない。

まだ仕事なのかな?
経理がこんなに遅いなんて訳ないな。

トゥルルルルル…
またかけるが繋がらない。

出ないユイに急に寂しくなり俺は車のキーを持ちユイの家へ向かった。

ユイをピックアップ出来ないかな、と思い駅のロータリーに車を停めて待ってみようかと思ったその時、ユイは知らない男と改札を出て来た。
そのまま2人は笑い合いながらユイのマンションの方へ歩いていく。

どういうことだよ!

ユイも笑いながら男を叩いたりしてふざけあってる。

なんでこんなに馴れ馴れしいんだよ。

あいつ誰だよ!

俺は頭に血が昇り車を降りて声をかけた。

「ユイ!」

「あ、康祐。」

「こいつ誰だよ!なんなんだよ、馴れ馴れしいな。」
俺は殴りかからんばかりに声を荒げた。

「康祐??兄の英太だよ。」

「にいちゃん?!」
つい荒げたままの声で言ってしまった。

「うん。長野から遊びに来てるの。今日遊ぶ予定だった友達が仕事で急遽出張らしくて泊まるところがないからうちに来るの。」

「ごめん…」
俺は2人に頭を下げた。

「いきなり失礼な奴だなぁ。」

俺、兄貴への印象最悪じゃん。

「すみません。つい…。」

「ユイ、こんなのと付き合ってるの?」

「康祐はいい人だよ。」

「こんな短気で?悪いけど親父に話しとくわ。」

「ちょっとー。おにいちゃん!意地悪言わないでよ。」

「お兄さん、ほんとすみませんでした。」

「もう遅いから失礼するよ。」

ユイの肩を押して歩いて行ってしまった。

マズイ、マズイ、マズすぎる…
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