お見合い相手から溺愛されて困っています。

お見合い

私は春らしいグリーンのワンピースを着て某ホテルのラウンジで座り、1人で男性を待っていた。
ぎゅっと固く手を握りしめ固まっていると背後から声がかけられた。

「高田あかりさんでしょうか？」

勢いよく振り返りながら立ち上がると足がもつれ倒れそうになる。

「おっと…」
男性は私の腰を抱き支えてくれる。

早速情けない姿を見せてしまい恥ずかしくて顔が上げられない。　
俯いたまま、
「申し訳ありません。ありがとうございます。私、高田あかりです。」

「初めまして。私は桜木祐（さくらぎ　ゆう）と申します。本日はありがとうございます。」

ようやく顔を上げ、彼を見ると身長190はあるのではないかというくらいの高さに綺麗な顔をしている。いわゆるイケメン。ぱっちり二重に爽やかな短髪。スーツを着こなす姿は貴公子ですか？と言いたくなるくらいの隙のない格好。

私は呆然として何も言えず立ち尽くしてしまった。

「あかりさん、座りませんか？」
と声がかかった。
彼の腕は私の腰を支えたまま。

「ハイ！」
と思わず大きな声が出てしまった。

ハハハ、と笑いながら席に座らされる。
彼も私の前に座り、ちょうど来たウエイトレスにコーヒーを頼んでいる。

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