お見合い相手から溺愛されて困っています。
「改めまして、桜木祐です。35歳で、桜木コーポレーションで副社長をしております。」

あれ?
私が店長から聞いていたのは店長の知り合いだって。
カフェによく来るお客さんと仲良くなりプライベートでも付き合いがある人だって。
その人とお見合いをしてみないか、と言われて私はこの場所にいる。
とてもいい人だから安心して、と言われたんだけど…。
こんなハイスペックな人ではないはず。

「すみません、人違いだと思います。申し訳ありませんでした。」

私は慌てて席を立とうとすると

「間違ってないですよ、高田あかりさん。」

私の名前を知っていた。
そうだ、さっきも名前を言われたんだった。
じゃあこのハイスペックがお見合いの相手なの?

店長…こんなハイスペックは私の相手にはならないですよ。
どうして紹介なんてするのよー。

私は焦るが彼は呑気にコーヒーをすすりはじめた。
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