年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ 私の不安 < 啓太の不安


二泊三日の合宿がやっと終わり、今日啓太が帰ってくる。

昨日までの私は啓太との初デートはどこへ行こうか、ずっと悩んでいて。

デートスポットを特集している雑誌まで買って、ワクワクしていた。

ワクワクしていたのに。

あの電話の向こうから聞こえてきた声。

田中さんっていう可愛いマネージャーさん。

それだけでも不安なのに、私の知らない「小百合ちゃん」まで登場して。

こんなに不安になるならその夜に啓太へ電話して、小百合ちゃんのことを聞けばいいのに、こういう時だけ年上なんだから、っていうブレーキが掛かってしまう。

合宿中に起こっていることなんて、私には分からない。

会ったことのある子ならやきもちも妬けるけど、知らない子が相手だと、不安でしかない。

私は啓太に貰った鍵をギュと握りしめて、昨日は不安な夜を過ごした。


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