どうにもこうにも~出会い編~
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 電話が切れたのを確認して、自分も通話終了ボタンを押した。

 大学4年生ということは21か22か。自分に娘がいたら彼女くらいなのかもしれない。

娘くらいの年の離れた女性とサシで飲みに行くなんていうのは何とも不思議な気持ちである。

しかも相手はあの居酒屋の「ケイちゃん」。

これっきりにしようと思った。聞いてはいなかったが、彼女には恋人がいるかもしれない。俺のような中年男でも、男とサシで飲みに行くのはあまり喜ばれたものではないだろう。

 俺は鞄からスケジュール帳を取り出し、『石原さん 19時M駅東口』とボールペンで書き記した。

スケジュール帳を眺めながら、些か罪悪感のようなものを感じた。

この約束は俺のエゴだ。今回だけ。今回だけだ。


俺は冷静に自分に言い聞かせて、再び仕事の書類に目を通し始めた。

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