俺が好きなのは、世界一可愛い君

それぞれのキモチ

「いやだ。今こっち見ないで。私今スッゴク可愛くない顔してる。ごめんね、あんなの見せて。」


 
そこまで一気に捲し立てた後、今度はハッと息を飲んで顔をあげる。



あの女が来るまでの、ふんわりとした雰囲気は、もうどこにもない。



ひたすら何かから自分を守ろうとしている。



そんな感じ。



「嫌いに……なった?」



か細い声が聞こえる。



そんな問いに、一樹は一瞬、怒ったような、傷付いたような顔をしたけど、優しく答えた。



「そんなわけ無いだろ。それに、何か理由があったんだろ。ゴメンな、きづけなくて。お前、昔から人を傷付けたり、攻撃するような言葉吐くの苦手だもんな。でも、もうそんなこと言わないでくれな? 俺が何年お前を好きでいると思ってる。そんなことで冷めたりしない。次は怒るからな?」



そういって、困った顔をして笑う一樹の目線の先にいるのは、泣きじゃくっている栗山さんだ。

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