世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果

イケメン商店街無双




 あかりのお世話はすごい。


 総一郎は寝癖をつけたまま、朝食のトーストを噛み締め改めてそのすごさについて考える。


 トーストに乗っているオレンジのジャムはあかりが作ったらしく、そのさっぱりとした甘さがクセになり、朝からパン3枚目だ。



「たくさん食べるね。スクランブルエッグ足りてる?」
「ん」
「そっかぁ、よかった」
「あかりかわいい」
「はいはいありがとう」



 総一郎はあかりにグッとくる度、息をする様に可愛いと発言する様になった。


 あかりはそれをするりと流す。今回はあかりの笑った時に出来たエクボにグッときたらしい。


 そして、来たばかりの頃はまだ借りてきた猫感が残っていた総一郎だったが、もうこの家に慣れきっている。ソファーが総一郎の定位置だ。いつも帰ってきて倒れ込んでいる。


 同じマンションに住んでいること以外、共通点のなかったあかりとの生活を開始し3日目、総一郎は簡単に言えば絶好調だった。


 ちょうど腹ペコの時に出てくるバランスが良くて美味しい食事、お風呂は入浴剤の香りが溢れる丁度いい温度、布団は常に清潔でふかふか。


 よって、身体の疲れは取れてるし寝付きも寝起きも格別。身体スッキリ元気いっぱいである。


 何度も言うが、あかりのお世話はすごい。総一郎は心の中で何度も頷く。
 




< 49 / 267 >

この作品をシェア

pagetop