お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

···結婚したらアメリカへ


「LA・fonte」がオープンして
に三周年を迎える。

足を運んで買い物をして頂いたお客様
支えてくれた従業員の皆さん
事業者の皆さんに感謝を込めて
三周年記念パーティを
「LA・fonte」の一階スペースと
外の広間で行う事にした。

パーティの食べ物は
ホテルのシェフにお願いした。

実は、「LA・fonte」の隣に
隣接する、
ホテル・フォーシーズンの総支配人の
生田 奏悟(いくた そうご)さんは、
史織の婚約者。

身分違いだと⋅⋅⋅⋅⋅
紗雪様が先だとか⋅⋅⋅⋅⋅
中々、先に進まない史織を
いつも温かく見守ってくれた
奏悟さんに史織も
少しずつ心を開いて行った。

ホテル・フォーシーズンは、
客室も立派だが
料理定評がありお願いを
することになった。
当日は、みなさんの目の前で料理を
作ってくれる。

ホテルの方は大丈夫かと
思ったが、大丈夫だと奏悟さんに
言われたので
お任せする事に。

その日、私は昔一緒に
音を奏でていた方々と
一緒に演奏をする。

午前と午後に一度ずつ。

バイオリンの練習を毎夜
行っている。
今日史織は、奏悟さんと
夕食に出掛けいるから
いつも、褒めてくれる史織が
いなくて寂しいが
史織の幸せが一番だ。

私も少しだけ
悠希さんの声が聞きたくなり
電話をする。
「紗雪。」
「はい。悠希さん、お忙しいのでは?」
「大丈夫だよ。代わりない?」
「はい。今は、バイオリンの練習を
していました。」
「ああ。楽しみにしてるよ。」
「うふっ、ありがとうございます。」
「紗雪に会えるのも
凄く楽しみなんだけど。」
と、言われてあっというまに
真っ赤になってしまうと
悠希さんは、クスクス笑いながら
「あっ、ご両親に改めて
ご挨拶したいからご都合を訊いて欲しい。」
と、言われて
「⋅⋅⋅⋅⋅はい、わかりました。」
と、言うと
「愛してるよ。紗雪。
あまら、無理しないように。」
「はい、ありがとうございます。
私も大好きです。」
愛情表現をすることは、
とても恥ずかしいが
離れているからこそ
きちんと伝えたい。
 
伝えない事で不安になりたくないし
不安を与えたくもない
と、言うのが
私と悠希さんが決めたことだった。

悠希さんから、史織が結婚したら
自分達も結婚して
紗雪にアメリカに来て欲しい
と、言われていた。
「LA・fonte」は、
史織と二人の秘書に任せて
紗雪は、アメリカから
指示や相談等にのり
行事には、日本へ帰国する。

紗雪も史織も
子供が出来たら
そうは、いかないだろうけど。

史織の婚約者である
奏悟さんも承知してくれている。
< 43 / 54 >

この作品をシェア

pagetop