西岡三兄弟の異常な執着
監視
二階、リビングにて━━━━

「どう?兄さん」
「ん?一人いたな。しぶとそうな奴」
朱雀が黄河に問いかける。

黄河は大きな一人掛けのソファにドカッと座り、煙草を吹かしている。
朱雀は花苗と二人掛けのソファに座り、花苗の腰を抱いて煙草を吸っている。

「塩見だろ?」
朱雀と花苗の向かいのソファに座り、花苗とリバーシをしている真白。
視線はリバーシに向けたまま、話に加わった。

「あぁ…あーゆうタイプは、食って掛かってくるぞ!」
「だろうね!まぁ、その方が鍛えがいがあるよ」
「朱兄ちゃん、怖っ(笑)!!」

「よし!ここ!」
「あ、花苗!そこはダメだよ!」
「え?」
「あ!朱兄ちゃん、言うなよ!
…………はい、俺はここ!」
「えーー!どんどん白くなってく……」
ドヤ顔の真白と、悲しそうな花苗。

「苗、弱っ(笑)!」
「もう!真白くん、手加減してって言ってるのに!」
「フフ…」
「花苗、頬膨らませて可愛い~!」
真白には笑われ、朱雀に頭を撫でられる花苗。

「あ、あの水樹さんって方」
「ん?」
「あの方もきっと、出来る方だと思うよ!
今回の方々は、大丈夫そうだね!」
花苗が三兄弟に微笑んだ。

「「「だと、いいけどな!」」」
三兄弟が含みのある言い方をする。

「え……?」
「まぁ、でもなんか言いたそうだったな」
「やっぱり、黄河さんもそう思った?」
「あぁ」
「だから、聞いたつもりだったんだけど……
言いにくかったかな?」
「花苗が気にすることじゃない。
大丈夫だ」
黄河が安心させるように、花苗に微笑んだ。

そこに森宮がノックをし、入ってきた。
「失礼いたします。
先程は、申し訳ありませんでした」
深々と腰を折って頭を下げ、謝罪する森宮。
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