政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
最高の奇跡
 何度も頭を撫でられる心地よい感覚に眠りから覚め、ゆっくりと目を開ける。

「悪い、起こしたか?」

 頭に触れていた手は離れ、目と鼻の先に航君の申し訳なさそうな顔があって一気に目が覚めた。

 え? どうして航君と一緒に寝ていたの?

 軽くパニック状態に陥るも、少しずつ昨日の記憶が蘇ってきた。

「あっ……」

 そして自分が航君に抱きついていることにも気づき、慌てて離れた。

「ごめんなさい!」

「いや、大丈夫だよ」

 そう言って起き上がった航君は裸で、急いで反対側に身体を向けた。

 私、昨日はあのまま寝ちゃったんだ。もういっぱいいっぱいで、ちゃんとできていたかな? 

 そんな心配をしている間、航君がバスローブを着ている音が聞こえてきて、思いっきり布団を頭からすっぽりと被りたい衝動に駆られる。

「俺は少し仕事をするから先にシャワーを浴びてくるといい」

「は、はい」

 返事をすれば、航君は私の頭をひと撫でして寝室から出ていった。ぱたんとドアが閉まり、私はゆっくりと起き上がる。

 けだるさを感じながら手はさっき撫でられた頭に向かう。
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