可愛いキミは、僕だけの××
◇ 春、キミに出逢った。



校門から校舎までの桜並木を歩いていると、空中にソメイヨシノの花びらがふわっと舞う。


……すっごく綺麗。

立ち止まってずっと見ていたいくらいに。


窓側の席になったら見れるかな。

足を止めずに歩き、ふと空を見上げた。

今日は雲ひとつない快晴で、一面の青空が広がっている。




私の名前は四葉希(よつば まれ)

今日から東雲高校の2年生だ。




***



「えーっと、私のクラスは……」


新学期のクラス替えって、ワクワクするよね。

仲いい友達と離れたくないな、とかどんな人がいるんだろって色々考えちゃう。


早速掲示板に、新しいクラス表が貼ってあった。

見に行きたいけど、人だかりが凄すぎて前が見えない。

私は背が低いから、ぴょんぴょん飛び跳ねてみても効果はナシ。



うーん、これはまだ時間がかかりそうだ。


と思っていた矢先


きゃあああっ!!!


突然、黄色い歓声が鳴り響いた。


わぁっ、何!?

びっくりして声の方へ目を向けると、3人組の男子へ群がる大勢の女子生徒たちがいた。

そしてその中央に、止みそうにない黄色い声の元凶―――超絶イケメンがいる。



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