今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
第一章 パパと娘の初対面
 その日、私は何かと騒がしい屋敷の人たちを横目に、周囲に浮遊する魔粒子たちを興味津々で見つめていた。
 ふわふわと周囲を舞う火と水の魔粒子は、まるでダンスを踊っているみたい。
 だんだん楽しい気分になってきて、浮かんでいる火の魔粒子をちょいっと指でつついたら、ぽかぽかとした温もりが伝わってきた。
 ……わぁっ、火の魔粒子あったかい! ふふふっ、次はこっち!
 今度は水の魔粒子に手を伸ばす。
 ……水の魔粒子はちょっと冷たいね! しかも、少し湿っぽい感触! 楽しい~っ。
 すっかり魔粒子の感触の虜になり、私はひとり魔力遊びに没頭した。
 しばらくして、廊下の向こうから使用人たちがひそひそと話しながらこちらに歩いてきた。
「まさか、奥様と旦那様が揃って亡くなってしまわれるなんて……」
「馬車の転落事故で即死だったそうだ」
 耳を澄ませてみると、どうやら両親が亡くなったらしい。でも、私にとってはあまり関係のないことだ。
< 1 / 219 >

この作品をシェア

pagetop