【完結】Liar-ライアー-

02,

ー多田 理樹ただ りきside

「ナルミは、関係ない!」

そいつが怒る瞬間を、俺は初めて見た
いつも嫌がらせをされても目線を落として、相手にしなかった
無関心を貫き通していた

昔から表情が乏しくて、不気味がられていた
だから、俺はずっと感情が死んでるんだと、勝手にそう思っていた

それに、俺の彼女がイラついていたのも知っているし
俺のせいでいじめられることになったのも知っている

体操服の胸ぐらをつかんで、顔を殴って
完全にキレて怒っているのを慌てて止めに入る

「事実でしょ、アンタ、腰に手回されて男と繁華街歩いてたくせに」

(しおり)、落ち着いて」

反撃されると思ってなかった彼女(しおり)も同様にキレていて
長い爪で小山を平手で殴り返す

うっすら爪が顔に付けた傷から血が出てくるのを見て、本気で止めにはいる
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