何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

さよならは満月の夜に


ピチャ
たった一匹しか居ない鯉が、嬉しそうに水面から口を出し、餌を食べている。

「たくさん食べなよ。もうあんた一匹なんだから。」

天音は何とか兵士の目を盗んで、中庭に来ていた。
そして、鯉に昼ご飯の残りのパンをあげていた。


「私も一人か…。」

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