何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「わーお!きれいだね星羅。」
星羅は、天師教との謁見のためドレスを与えられ着飾っていた。
そんな晴れ姿を見た華子は、星羅を褒めちぎっている。
「ありがとう。」
そして、星羅は柔らかい笑顔をみせた。
しかし、そこに天音の姿はない。
もう、妃になる事もどうでもよくなってしまった天音には、関係ないと思っているのだろうか。
「やっぱ美人はちがうね!」
「もー。じゃあ、行ってくる。」
「うん!がんばってね!」
華子は満面の笑みで、星羅にエールを送った。
「…どうしてライバルを応援するの?」
すると、星羅がひらりと丈の長いスカートをひるがえし、華子に尋ねた。
「だって、星羅だから。」
そう言って、華子は悪戯っぽく笑ってみせた。