白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
12章:離さない

 抱きしめられていると、やけにドキドキして、落ち着かない。
 琥白さんの裸の胸板が頬に当たるから余計だ。

「こ、こここここ琥白さん、もう離してくださいっ」
「そうだな」

 琥白さんはそう言いながら、余計に強く私を抱きしめた。

「って言いながら離してくれないし!」

 どうしよう。くらくらする。もう、全部どうでもよくなる。
 琥白さんは抱きしめる力を少し弱めると、

「ふたば。顔、あげろ」

と低い声で言った。

 その声に導かれるように顔を上にあげると、琥白さんの熱っぽい目と目が合う。
 そのままゆっくり琥白さんの顔が近づいてきて、私はそっと目を瞑っていた。
< 148 / 232 >

この作品をシェア

pagetop