神、恋に落ちる
「わかった」
「え?わ、わかった?」

「じゃあ…マンションに閉じ籠ろう!二人で!」

「え?え?
命さん!?
ご、ごめんなさい!そんなの無理ですよね?
命さん、お仕事あるし」

命の真っ直ぐな瞳に、つい…本音を話してしまった白羽。
あまりにも、すんなり命が受け入れたので急に我に返ったように慌てる。

「仕事は今まで通りマンション内ですればいいし、白羽にもう…誰も会わせない。
そうすれば、白羽は俺だけの声を聞いて、感じて、見ていられるでしょ?
嬉しい!そんなの、俺の方が幸せ!!
だって、俺は白羽を監禁していいんだよね?
ヤバい!!嬉しすぎて、今ここでキスして抱きたい!!」

急に、はしゃいだように興奮しだした命。

命に“不可能”という文字はないのだろうか。

いや、きっとないのだろう━━━━━━


白羽はそのまま、マンションに連れて帰られたのだ。

「嬉しい……本当の意味で、白羽が俺だけのモノだ………
はぁ…白羽、好き、好き、好き、好き、好き、好き……大好き……」
あっという間に服は脱がされて、ベッドに組み敷かれ抱かれている。

「んんっ…命さ……お仕事…は…」
「うん、白羽を愛したらちょっと出てくるね!
でも大丈夫……白羽を失神させて、起きる頃には帰ってくるから、白羽は寂しい思いなんかしないよ?」

【神に“正気”は存在しない。
だから、白羽さんは正気を保ってくださいね】

でも今、白羽は“正気”を失いかけていた。

「命…さ…好き、好き、好き…大好き……」

「うん…ほら、白羽……もう…いいよ?
何もわからなくなって、狂って、俺のこと“だけ”考えて?」



ほら、白羽。

俺と“二人で”天国に落ちてしまおうね━━━━━


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