【2/4 番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
母の日番外編 2人でいれば大丈夫(ご懐妊)
シャワーを浴びて寝室のベッドに腰を下ろしたタイミングでスマホの着信音が鳴った。
このメロディーは臣海さんからだ。
私が慌ててスマホをタップすると、私が大好きなバリトンボイスが鼓膜に響いてくる。
うん、声だけでも相変わらずイケメンだ。
『菜月? もう寝てた?」
「ううん、ちょうど今シャワーを浴びたところ」
チラリと横目で壁掛け時計を見れば、時刻は夜の9時ちょっと過ぎ。
ニューヨークは朝の7時頃だなと素早く時差を計算した。
臣海さんは今、マンハッタンの『KUONホテル・ニューヨーク』にいる。
ホテル協会の会合に出席するため、10月最終週の1週間、ニューヨークに単身出張中だ。
私も一緒に行きたかったけれど、私の身体を気遣った臣海さんに反対されてマンションで留守番することになった。
――まあ、しょうがないか。
だって私は……
『菜月、体調はどう? 赤ちゃんは元気か?』
そう、今の私はなんといっても妊娠7ヶ月の妊婦。
無茶をするわけにはいかないのだから。