すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
嘘が呼んだ自業自得なアレコレ
 目が覚めると、私はベッドに寝かされていて、すぐ横に柳川(やながわ)が神妙な顔で付き添ってくれていた。


「……やな、が、わ……?」

 まだしっかり覚醒していない頭で、ぼんやりと柳川の名前を呼んだら、何故か即座に「悪かった!」って謝られて。

「な、んで……柳川が謝るの?」


 言いながらゆるゆるとベッドに身体を起こしたら、ズキズキと頭が痛んで思わず眉をひそめる。

 今日は悪い酔い方をしてしまった。
 好きな人を元気付けなきゃいけないようなこんな大事な局面で、本当情けない。


 そう、そうなの。

 無茶な飲み方をして柳川に迷惑をかけてしまったのも。
 大失恋をしたばかりの柳川の気持ちも汲めずに無神経なことをして怒らせてしまったのも、みんなみんな私。

 どう考えても私の失態ばかりなのに。何で柳川が謝るんだろう?

 ベッドサイド、床に頭を擦り付けんばかりの勢いで頭を下げてくる柳川をキョトンと見つめたら、

「いくら感情の抑えが利かなかったからって――俺、お前に酷いことをしたっ!」

 って一向に頭を上げてくれないの。

「柳川……とりあえず顔を上げてよ。私、貴方のつむじと話してるみたいで落ち着かないよ」


 言って、ベッドから降りて床に正座する柳川のそばにひざをついたら、何故か慌てたように後ずさるの。
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