同居人は無口でクールな彼
第15章 別れの日



どうして、わたしはあの時はっきり“好き”だと言わなかったのだろう。

あの時は“好きかもしれない”と答えるだけで精一杯だった。


“かもしれない”じゃない。

わたしの気持ちはもう決まっていたのに。


「ねえ、鈴香ちゃん最近どうしたの?」

「篠原くんと何かあった?」


休み時間に翔哉くんがトイレに言っている間。

のんちゃんと灰谷くんが心配そうに声をかけてくれた。


そう……

あれからわたしは、まともに翔哉くんと話ができていない。


「えっと……」


誰に聞かれるかわからないこの状況で話しなんて出来なかった。

出来れば誰にも聞かれたくなくて、こっそりとのんちゃんだけに耳打ちをした。




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