幼なじみの一途な狂愛
貪欲
「ん。いいよ」

乙哉の顔が近づいてくる。
梨々香は、ゆっくり目を瞑った。

口唇が重なる直前━━━━━━
「梨々」
「え?」
「ほんとにいいの?
俺が“キス”しても」
「うん…」

「俺“は”いいんだ!」

「え……?」

「和多が、言ってた。
梨々とはセックスはしたけど、キスは一度もしてないって」
「あ……」
「その理由……高校ん時に言ってたやつ?」

「え?」

“それに、私……決めてるから!
キスは、本当に好きな人としかしない。
だってキスは、神聖な行為でしょ?
だから結婚式で、誓いのキスするんだよ”

「そうだよ……
私ね。和多さんと不倫する前にも、二人の人とお付き合いしたの」

「うん…二人……」

「でも、二人共…長く続かなかった」
「うん」
「乙哉と、重なって……」
「え?」
「初めての彼に言われたの。
“梨々香が見えない”って。
そりゃそうだよね。私は、彼に乙哉を見てたんだから」

「梨々…」

「私ね。キス…したことないんだよ」

「は?元彼は?」

「できなかった。
そうゆう雰囲気にはなったけど、顔背けちゃったりして結局できなかった。二人共……
あと、エッチは……和多さんが初めての人なの」

「そうなの?」

「うん。退いた?
………って、退くよね?」

「嬉しい……
神聖な行為を、俺には許してくれるんだろ?」
「うん…そうだね。
乙哉なら、したい!」
「それに、梨々のファーストキスの相手になれるなんて……幸せ!!」

「うん…」

「梨々……好きだよ」
「うん」
「梨々も言って?」
「乙哉が、好きだよ…」

「幸せ……最高に幸せだ……!」
そう言って、再度乙哉の顔が近づく。
梨々香がゆっくり目を瞑り、二人の口唇が重なった。

チュッと音がして、離れた。

「……/////」
「梨々、顔、真っ赤////!!」
「甘酸っぱくないね…(笑)」

「フフ…だな!」

「乙哉」
「ん?」
「もう一回…したい……」
「もちろん、いいよ!」

「ん……んんっ!!」
しかし次は、軽くでは終わらなかった。
梨々香は息苦しくなり、空気を取り入れようと口を開けると、乙哉の舌が入ってきた。

「んーー!!?」
乙哉の胸を押す、梨々香。


「はぁはぁ……おと、や…何、これ……」
肩で息をして、乙哉を見る。
「ん?キスだよ」
「こんなの…/////」

「梨々の口唇、柔らかくて気持ちいい……」
梨々香の口唇をなぞる。


「………………梨々、抱いていい?」
「え?」


「梨々を抱きたい!
梨々の全てを、俺のモノにしたい……!」
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