協道結婚
【4】静華の秘密
「おはようございます🎶」

「おぅ。おはようさん」

あれから、「協道作業」は順調に進み、今では篠原を抜いて三位の成績であった。
と言っても、部長入れて4人の競争ではある。

「最近絶好調っすね〜静華さん」

抜かれた篠原も、なんだか嬉しそうである。

(今日も、部長の長話しはナシナシ♪)

「美夜さんのご指導のたまもの〜ってか?」

「んニャ?私は何もしてないわよん」

すぐ奥のソファーから美夜。

昼間はもっぱらスマホでお仕事。
経済情報確認や「情報屋」との連絡。
後は裏社会の他愛もないやり取り。

長い美脚を伸ばしてくつろいでいる。

「美夜さんったら、仕事に集中できないから、何とかして下さいよ」

と言いながら部長へ顔を向ける。

「好きにすればいいさ。目の保養にはなってるだろうが、篠原」

と言う砂辺もいかがなものやら。
それはさておき、砂辺も最近の静華の売り上げには正直驚いていた。

元々、売れ残ってた物件ばかり。
それが、次々と売れているのである。

「静華ぁ、あんまり「ムリ」するなよ」

危ない道へ入るな。の警告と気遣いである。

「大丈夫です。今日はこれから物件見に行きますので、多分戻らないと思います」

「そうか、ついに…アレか?」

一瞬。
篠原と美夜が息を止める。
こちらを見てはいないが、その気配と緊張感を静華は感じていた。

ずっと調べている物件。

「えっ?あ…れはまだまだ、ムリムリ」

「そ、そうか」(ふぅ〜)

(やっぱり。そんなにマズいんだ…アレ)

「では、行って参りま〜す」

ビルから出て行く彼女を、二階の窓から見送る砂辺。

「ん?」

駅とは逆の方向へ駆けて行く静華。
ふと、その先に停まっているベンツに気づく。

(まさかな…)
(な…な…なんだぁ!)

ベンツの横で立ち止まる。

(お、おい!静華ぁ〜!)

バックからスマホを取り出す静華。

(なんだ、連絡かよ。全く!ふぅ〜)

「〜ぅっ?ぅう⤴️❗️おいっ!」

「はい?」 と即答の篠原。

ふつ〜に助手席に乗り込む静華。

「部長、何すか?そんな大きな声出さなくても聞こえますよ、ウチ狭いんだから」

嫌な情景しか頭に浮かばない砂辺さん。

「お茶なら美夜さんに…」

「うるさいっ!」

…のは砂辺さん。

「もう、なんなんですかぁ部長」

その後ろで地に脚を、あっいや💦
足を下ろす美夜。

「部長ぉ。私も出て来ま〜す」

(えっ?まだ朝ですけど?)篠原です。

「お。おう…」

「おう…って、おかしいでしょ部長!」

「うるせぇ❗️」 のは…

天変地異、摩訶不思議。

「こうなったら仕方ない!ぼ、僕も出てきま〜す」

「待て❗️」

(なんでやね〜ん!!)

と、とりあえず。
ハッピー不動産の1日が始まったのである。
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