エリート警察官は彼女を逃がさない
それからの私の行動は早かった。仕事の引継ぎノートを大急ぎで作り、家の退去の手続きもすぐにした。
咲良に伝えればかなり納得がいかないようだったが、私が決めたことなら応援すると言ってくれた。
休日にはいろいろ手伝ってくれて本当に感謝をしている。
あの日から一か月後、私はたくさんの花束を手に長く務めたホテルを退社した。
想像通りやはり両親は初めは怒ったが、帰っておいでそう言ってくれた。
『子供が産まれたら、もうちど修行しなおしだぞ』
父のその言葉に笑ってしまった。