甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》
結婚式後:大垣誠
壱と紫乃ちゃんの結婚式後
「夢唯、帰ろうか」
俺のマンションか夢唯の家に帰ろうと誘う。
「真麻を先に送ってから…」
「誠、何言ってるの?クリスマスイブなのよ?」
「そうだな。二人で…」
「何言ってるの?しっかりしなさい、代表。こんな日に店に出ないでどうするの?」
ジュエリー時計を見ながら言う夢唯はさすがだ。
「クリスマスらしいことがないまま終わるな…今年も」
「そういう店でしょ?稼ぎ時に稼いでこそ男よ。それに今年はこの披露宴がクリスマスらしかったじゃない」
「そうだな。じゃあ…行くわ、俺。これプレゼントだけ渡しておく」
「ありがとう、誠。開けていい?」
「ああ」
夢唯は小さなジュエリーケースを開けると
「素晴らしいセンスだわ、誠。嬉しい、ありがとう」
2ctのブラックダイヤモンドピアスの片方を取り出しケースを閉める。そして
「今夜は片方、貸してあげる」
それを俺の右耳につけた。
「うん、いい男。スーツもシャツもこのままでいいけど、夜にはジュエリーも必要でしょ?いってらっしゃい」