わがままな純愛 ケイレブとユリア

ダンスの相手


学校の大広間で、パーティは開催される。
この地域の住人たちが、馬車で集まってくる。

もちろん若い男女も、それぞれが思惑を持って、着飾って集まって来た。

ケイレブも濃いグレーのスーツ、
臙脂色のタイで決めていた

「ケイレブ、こっちに来な!」
マギーの声が聞こえる。

急いでマギーの前に参上すると、
マギーも、赤いドレスを着て、
この会場の主のように、椅子に
座っていた。

それは巨大な毒キノコのようで、
ケイレブは、笑いを押さえるのに苦労した。

「おまえさんも、なかなかの男前じゃないか」

マギーはケイレブの腕を
ぐいとつかんで、自分の方に引き寄せた。

「最後のダンスの相手の、
女の子の名前を書いたか?
書いたら、あそこの箱に入れるんだよ」

ケイレブは片目をつぶって、答えた。
「俺は、マーガレットと書くよ」

ぐわはっはははは・・

守護怪獣が吠えた。

「あんたも、なかなかうまいこと言うね。
口だけはたいしたもんだ。
だけど、ちょいちょい、料理の
減り具合も見ておくんだよ。

若い奴らは、酒も飲むけど、
料理もすぐになくなるからね」

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