‘ひとつ嘘をついたことを謝らなければならない’そう言った聖さんから、仕事というのは嘘で、私の両親を訪ねて来たと聞いた。そして聖さんの部屋への引っ越しを許してもらったと聞き…私は驚きを通り越して呆気に取られたんだ。

そして年末年始は二人でゆっくりと過ごし、1月の連休に引っ越しをすると決めた。

年末年始にずっと聖さんの部屋にいるので引っ越ししたようなものだと思いながら、3日の朝を迎える。

「光里…体大丈夫?」
「…うん…大丈夫」

ベッドの中で何も身につけていない私の下腹を優しく撫でる聖さんに

「おはよう…10時ごろ出られるかな?」

時計を確認して聞く。

「出られるだろ。なぁ…光里」
「うん?」
「あの妹いただろ?」
「華さん?」
「あれ、何であんな早い時間にお参りに来るわけ?いつもではないかもしれないけど…俺や光里は仕事の前に参るから早朝だろ?でもあの妹はピアニストだろ?今になって不思議に思った」
「私も確認したわけじゃないけど…最初の1年は友達が会いに来てくれたりしたから聞いた話だけどね、華さん夜遅くというか夜中に夜のお店でピアノを弾いているらしいの。そして明け方まで歌ったり飲んだりして寝ないままお参りしてから帰って寝るんじゃないかって」
「講演会の時に行ったホテルのレストランで見たが、そこだけじゃないってことか…ふーん」

聖さんは先月華さんと会ったから気になるのかもしれないけど、私は大丈夫。彼女も大切な兄を失ったのだから悲しみや怒りを吐き出したい時もあるだろう。

「私は…聖さんがいるから大丈夫」