クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

◇放課後の図書室

「……っぷはー!ハァッ、ハァッ、」


息が

苦しい。


教室にいる間ずっと逢和君を意識してしまって、全然授業に集中できないまま今日が終わって

そして逃げるように教室を出て、今。

なぜか息を止めていた私は、図書室のドアに手をついて肩を上下させてる。



何してるんだろう、私…

一回、まっさらになりたい。

こういう時は、現実逃避!だ!



息を整え終えた私は、ゆっくりドアを開ける。

時間が止まってるみたいに静まりかえる図書室は、今日も人が全然いない。


んー、この、紙の匂い。独特な空気。好き。







ーー好きだよ







はぅ…ッ!!


不意に思い出して、両手でぱちん!と頬を覆った。


ッ…、やっぱりダメだ、やばい、やばい。

だって、ずっと好きだった人に突然す、好きだよなんて言われたら、もう…!!

あれもサラさんに向けて?

LOVEじゃなくてLIKE?

だとしても、だとしても…っ

あぁ〜!ダメだダメだ!

顔がニヤける…!


目を閉じて大きく深呼吸しながら本棚の角を曲がろうとした時だった。





「あぶっ」





誰かにぶつかってしまった。

反動で後ろに倒れそうになる。



「!」
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