モトカレ弁護士の求婚から逃げられない!~似た者父子(おやこ)は、ママを離しません~


プロローグ


 さて、ここで問題。
 今の気持ちを五十字以内で表せ。そんな問いがあったとしたら、貴方ならどんな回答を出すだろうか。

 ――そんな少ない文字数じゃ、私の気持ちなんて表せない!!

 小関真綾(こせきまあや)は、とんでもない場所で、とある人物と思いもよらぬ再会を果たしてしまったために、頭の中がショート寸前だ。
 これまでの色々な感情や出来事が、走馬灯のように脳裏を駆け巡っていく。
 
 今、真綾がいる東京は、日本の面積比率ランキングでは四十五位と下位ランク。だが、人口比率ランキングでは堂々の一位。
 面積は狭いので出会う確率は高くなる。だが、人口密度は高い状況だ。
 だからこそ、再び出会うなんて思わなかった。元彼に……。
 それも、後味悪い別れ方をしたため、できれば二度と会いたくない人ベストテン、堂々の一位になってもいたのだ。

 六年前にイギリスへ渡り、久しぶりの帰国。
 それなのに、勤め先のオフィスで元彼に再会するとは誰が思うものか。
 困っていた真綾の前に颯爽と現れて助けてくれる彼は、まさにヒーローのよう。
 
 忘れたい。忘れなくては。
 そう思っていた、彼との思い出が瞬時に蘇ってしまう。
 真綾は自身を助けてくれた彼の背中を見て、驚きと不安、そして少しだけ高揚を感じた。