番外編SS

「……越川ちゃん、その節は大変お世話になりました。そして、申し訳ありませんでした」
「全く、本当よ。私、絶対に永江先輩に恨まれているわよ。六年前、土下座されんばかりの勢いで真綾の居場所を教えてくれって言われたのよ? それなのに、悪女みたいな捨て台詞を言って先輩を止めた私をもっと労いなさい!」

 フンと鼻を鳴らして胸を反らす彼女に、ひたすら低頭で謝り続ける。
 そんな真綾を見つつ、彼女は幹太の頭を撫で続けていた。

 家族三人で暮らすマンションに越してから、ひと月後。
 ようやく落ち着いてきたので、真綾にとって大事な親友を新居に招待したのだ。
 
 久しぶりに再会した越川に、真綾は誠心誠意込めて謝罪と感謝を告げた。
 央太と再会して家族三人で生きていこうと決めたあと、すぐさま報告したのは大学時代からの親友である越川だ。
 
 彼女には、本当に何度謝っても足りないほどの役目を引き受けてもらっていた。
 央太が真綾を探し出すのを止めるという、とんでもない役目だ。