貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
6.急転が直下……する？
目が覚めて、また朝が来ていた。誰かが灯りを消してくれたようだ。部屋には窓から朝日が差し込んでいて明るくなっていた。

今日も体が重い。それに頭も、そして……心も。

創ちゃんには『今日は用事があるからギリギリに出社します』とメッセージで告げ、私はノロノロと家を出た。昨日の今日で、本当は創ちゃんの顔を見るのもつらい。でも、一度やると決めたんだから、ちゃんとやらなきゃ。そう自分を奮い立たせてギリギリ５分前に席に着いた。私の左隣は空(から)で、それに少しホッとした。

「おはよう、与織子ちゃん。……もしかして体調悪い？」

清田さんからそう尋ねられる。

「おはようございます。あの、実は、生理痛で」

清田さんにだけ聞こえるように答える。

「そうなの？　辛かったら休んでもいいのよ？」
「ありがとうございます。忙しいですし、今日一日乗り切ればなんとかなります！」

私は無理やり笑顔を作って見せた。

「無理しないで。早退してもいいからね」

清田さんが穏やかにそう言ってくれて、私の心は少し軽くなった。

「あ、そうそう。川村君、営業さんのトラブルについて行ったの。しばらく帰れそうにないから与織子ちゃんは昨日の続きお願いって」
「わかりました」

　私はそう言って私は仕事に取り掛かった。
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