年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
7.
「そんなにつまみばっか買い込んでどうすんだ?」

 そんなことを真琴に言われながら、地元の海産物市場でお土産を物色する。睦月さんにはいつ会えるのか分からないし、お酒は飲むみたいだから日持ちしそうなものを、と選んでいた。

「それって男にあげんの?」

 車でここまで連れてきてくれた真琴は、後ろを歩きながらそんなことを尋ねて来る。

「悪い? お世話になったからそのお礼するだけだし」
「悪いとか言ってねーし! それを貰って喜ぶ女のほうが心配だよ」

 それ以上深く聞く事はせずに、真琴は黙ってついて歩いている。
 他にも香緒ちゃんや希海さんに渡すお土産を買い込むと私達は店を後にした。

「今日の夜ご飯どうする? 久しぶりにラーメン食いに行かね?」

 真琴の提案に私は頷きつつも、お母さん達はどうするのか気になった。

「母さんなら好きにすればいいって言ってたぞ。昨日の残り物結構あるから自分達はそれでいいって」

 私が聞くまでもなくそう言われて、私達は小さい頃からよく行った近所のラーメン屋さんに向かうことにした。
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